現金の勘定科目に該当するものや仕訳方法
現金の勘定科目を使用するものは、お札や硬貨が動いたときだけではありません。
「金融機関でいつでも現金に換金できるもの」のやりとりも、現金の勘定科目を使用します。
現金の勘定科目で処理するもの
会計上、現金で処理するものは、ざっくり分けると
- 現金(お札や硬貨)
- 通貨代用証券(金融機関でいつでも現金に換えることができるもの)
に分けられます。
そして、通貨代用証券には以下のようなものがあります。
- 通貨代用証券
- 送金小切手
- 送金為替手形
- 郵便為替証書
- 配当金領収書
- 他人振出小切手
- 利払い日の到来した公社債の利札
そして、それぞれの意味は以下のようになります。
- 送金小切手
- 支払う人が銀行にお金を振込み、銀行が振り出す小切手
- 送金為替手形
- 銀行が発行した為替手形
- 郵便為替証書
- 郵便局で換金できる証書
- 配当金領収書
- 配当金を換金することができる証券
- 他人振出小切手
- 取引先が振り出した小切手
- 利払い日の到来した公社債の利札
- 銀行で提示すると利息を受け取ることができる
小切手とか為替手形が現金と言われてもピンと来ませんね。
そもそも小切手とか手形の仕組みが、よく分からないんですよね。
そうですね。
小切手や手形の仕組みについて知りたい方は「小切手や手形の仕組みをフロー図でわかりやすく解説」をご参照ください。
現金の仕訳事例
①現金20万円を普通預金に預け入れた。
②商品7万円を売上、現金を受け取った。
③取引先に商品10万円を売上、取引先が振り出した小切手10万円を受け取った。
④商品5万円を売上、郵便為替証書5万円を受け取った。
⑤所有している社債の利払い日が到来した。なお、利息の金額は2万円。
⑥売掛金100万円の回収として、他人振り出しの小切手100万円を受け取った。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
① | 普通預金 20万円 | 現金 20万円 |
② | 現金 7万円 | 売上 7万円 |
③ | 現金 10万円 | 売上 10万円 |
④ | 現金 5万円 | 売上 5万円 |
⑤ | 現金 2万円 | 有価証券利息 2万円 |
⑥ | 現金 100万円 | 売掛金 100万円 |
現金(通貨代用証券)と間違えやすいもの
金融機関でいつでも現金に換金できるものが、現金の勘定科目を使用します。
よって、先日付小切手はいつでも現金に換金できるわけではないので、小切手でも受取手形の勘定科目を使用します。
- 通貨代用証券と間違えやすいもの
- 切手
- 収入印紙
- 先日付小切手
- 自己振出小切手
切手は金融機関で現金化できません。
そのため、未使用分の切手は「貯蔵品」、使用分は「通信費」の勘定科目を使います。
収入印紙も金融機関で現金化できません。
そのため、未使用分の収入印紙は「貯蔵品」、使用分は「租税公課」の勘定科目を使います。
自己振出小切手とは、自社が振り出した小切手で、自社の当座預金口座から支払われます。
よって、小切手を振り出した際、「当座預金」の勘定科目を使います。
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