仕入の仕訳方法!値引きや返品、リベートを受け取った場合も解説

この記事の内容を理解できれば、以下の悩みが解決します。
仕入れに含まれるものは何なのか?
仕入れを認識するタイミングはいつなのか?
仕入れの値引きや返品があった場合の仕訳はどうなるのか?
仕入れ額に応じてリベートを受け取った場合の仕訳はどうなるのか?
掛けで仕入れたら買掛金
商品を33,000円で仕入れ、現金33,000円を支払った。
このような取引を現金仕入といい、仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
仕入 33,000円 | 現金 33,000円 |
そして、仕入れる商品の金額が大きい場合などには、現金ではなく、掛けで取引が行われることが普通です。
このような取引を掛け仕入れといい、仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
仕入 880万円 | 買掛金 880万円 |
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 880万円 | 預金 880万円 |
仕入れに含めるもの
商品の仕入れの際に支払った「運送料や手数料」はどうなるのですか?
原則として、商品購入の際に支払った運送料や手数料などの付随費用は仕入の金額に含めます。
商品を66,000円で仕入れ、運送料1,000円、その他手数料550円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
仕入 67,550円 | 現金 67,550円 |
ちなみに仕入の勘定科目を使うものは「販売を目的として購入した商品や材料等」になります。
自社で使うPCなどを購入した場合は、仕入ではなく備品消耗品などの勘定科目となります。
また、仕訳では「仕入」と表記しますが、損益計算書では「仕入高」と表記します。
⇧目次に戻る仕入れを認識するタイミング
商品を入荷したのが3月25日なのですが、検収をした日は4月2日となります。
仕入れ日はいつにすればいいのでしょうか?
仕入れを認識するタイミングとして、「入荷基準」と「検収基準」というものがあります。
会社がどの基準を採用しているかで、仕入れ日は変わってきます。
区分 | 仕入の認識時点 |
---|---|
入荷基準 | 商品、製品等を入荷した時点 |
検収基準 | 入荷した商品等の検収(注1)をした時点 |
注1
検収とは、発注に応じて納められた品などを、注文の際の品質条件・数量・仕様に合っていると確かめた上で、受け取ることをいいます。
よって、
- 入荷基準であれば3月25日
- 検収基準であれば4月2日
が仕入れ日となります。
なお、「ある年は入荷基準、次の年は検収基準を採用する」といったことはできません。
一度選択した基準は、継続して適用する必要があります。
⇧目次に戻る仕入れの値引きや返品があった場合の仕訳方法
購入した商品に不良品が含まれていたため、値引きをしていただけることになりました。
この場合の仕訳はどうなるのでしょうか?
2つ方法があります。
1つは「仕入値引」という勘定科目を使う方法、もう1つは逆仕訳を行う方法です。
商品30万円を仕入れたが、4万円の値引きをしてもらうことになった場合の仕訳例
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 4万円 | 仕入値引 4万円 |
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 4万円 | 仕入 4万円 |
値引きではなく、商品を返品した場合の仕訳はどうなるのでしょうか?
これも値引きと同様に2つ方法がございます。
1つは「仕入戻し」という勘定科目を使う方法、もう1つは逆仕訳を行う方法です。
商品80万円を仕入れたが、20万円分の商品を返品した場合の仕訳例
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 20万円 | 仕入戻し 20万円 |
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 20万円 | 仕入 20万円 |
「仕入値引」や「仕入戻し」の勘定科目を使ったほうがいい場合
これは「「売上値引」や「売上戻り」の勘定科目を使ったほうがいい場合」と同様となりますが、値引きや返品の金額を正確に把握したい場合には、「仕入値引」や「仕入戻し」の勘定科目を使うことをお勧めします。
特にそういう理由がなければ、逆仕訳で問題ありません。
⇧目次に戻る仕入れ額に応じてリベートを受け取った場合の仕訳方法
仕入れ高に応じて、リベートを受け取った場合の仕訳はどうなるのでしょうか?
考え方は値引きや返品と同じです。
「逆仕訳」か「仕入割戻し」という勘定科目を使います。
商品2,000万円を仕入れ、50万円のリベートを受け取った場合の仕訳例
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 50万円 | 仕入割戻し 50万円 |
借方 | 貸方 |
---|---|
買掛金 50万円 | 仕入 50万円 |
受け取ったリベートの金額を正確に把握したい場合には、「仕入割戻し」の勘定科目を使いましょう。
⇧目次に戻るまとめ
今回の記事では、
- 仕入れに含めるもの
- 仕入れを認識するタイミング
- 仕入れの値引きや返品、リベートの仕訳方法
について解説しました。
それぞれを簡単にまとめますと、以下のようになります。
- まとめ
- 仕入れに含めるもの
- 商品購入の際に支払った運送料や手数料などの付随費用
- 仕入れを認識するタイミング
- 入荷基準
- 検収基準
の2つ基準があり、会社ごとに基準を決める
- 仕入れの値引きや返品、リベートの仕訳方法
- 値引きは「仕入値引」
- 返品は「仕入戻し」
- リベートは「仕入割戻し」
といった勘定科目を使うか、逆仕訳を行う
また「よくある質問とその回答」は以下のようになります。
- よくある質問とその回答
- 商品を仕入れた際の運送料は、仕入れに含めて問題ありますか?
- 問題ありません。
最後まで閲覧して頂きありがとうございます。
- この記事を書いた人
- 都心綜合会計事務所
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