新聞図書費の勘定科目に該当するものや仕訳例

新聞図書費に該当するものや、専門誌の定期購読料を数年分まとめて支払った、百科事典をセットで購入した、金券ショップで図書券を額面より安く購入した場合などの仕訳例をご紹介しています。
新聞図書費の勘定科目で処理するもの
業務上必要な知識や情報を得るために購入した新聞や書籍、雑誌代などが新聞図書費に該当してきます。
また、待合室などでお客様が見るために購入した新聞や雑誌なども新聞図書費に該当します。
そして、電子データであるメールマガジン購読料等も新聞図書費に該当します。
具体的には、以下のようなものが新聞図書費の勘定科目に該当してきます。
- 新聞図書費に該当するもの
- 新聞購読料
- 雑誌購入代
- 官報購入代
- 地図購入代
- 年間購読料
- 専門書購入代
- 業界紙購入代
- 情報誌購入代
- 統計資料購入代
- 有料サイト購読料
- 定期刊行物購読料
- メールマガジン購読料
- 書籍購入代(電子書籍含む)
- 路線価図や都市計画図の購入代
- 資料用DVDの購入代やレンタル代
- 従業員のスキルアップのための教育用DVD代
- 創作活動でヒントを得るための漫画や小説の購入代
もちろん、上記に該当しても事業に関係なければ費用(新聞図書費)として計上できません。
⇧目次に戻る新聞図書費の仕訳例
新聞を定期購読して、購読料4,400円を現金で支払った。
仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
新聞図書費 4,400円 | 現金 4,400円 |
数年分をまとめて支払った場合
専門雑誌を年間契約で購読しております。
会社の会計期間をまたいでしまうのですが、仕訳はどうなるのでしょうか?
いったん新聞図書費で計上し、決算時に翌期以降の分がある場合には、その分を前払費用に振り替えます。
ただし、1年以内の前払費用であれば、継続適用が条件となりますが、全額を当期の費用として計上できます。
この場合、前払費用への振替は不要です。
会計期間が4月~3月の会社で、10月1日に専門雑誌を年間契約し、年間購読料12,000円を現金で支払った。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
10月1日 | 新聞図書費 12,000円 | 現金 12,000円 | 1年分の購読料 |
3月31日 | 前払費用 6,000円 | 新聞図書費 6,000円 | 翌期分(4月~9月分) |
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
10月1日 | 新聞図書費 12,000円 | 現金 12,000円 | 1年分の購読料 |
3月31日 | 仕訳不要 |
注意点として、継続適用が条件ですので「ある年は前払費用に振り替える・ある年は振り替えない」といったことはできません。
また、あくまでも1年以内の前払費用なので、3年分や5年分を契約して一括で支払った場合には、翌期分以降は前払費用に振り替える必要があります。
⇧目次に戻る複数の書籍をセットで購入した場合
専門の百科事典をセットで購入しました。
合計で25万円もしたのですが、これも新聞図書費で処理してよいのでしょうか?
この場合は「工具器具備品」という勘定科目で処理し、固定資産に計上します。
百科事典のように複数の書籍をセットで使う場合には、その合計金額で計上します。
そして、その合計金額が10万円以上する場合には、「工具器具備品」という固定資産の勘定科目で処理します。(注1)
借方 | 貸方 |
---|---|
工具器具備品 25万円 | 現金 25万円 |
注1
税法上の特例で、10万円以上でも全額を当期の費用にできる場合もあります。
図書券を購入した場合
金券ショップで図書券を購入しました。
額面が5万なのですが、実際には4万8千円で購入しています。
この場合、仕訳はどうなるのでしょうか?
実際の購入価格で仕訳を起こします。
また、図書券を購入したけれども、期末において未使用分がある場合には、その分は貯蔵品となります。
会計期間が1月1日~12月31日の会社で、9月1日に図書券を4万8千円(額面は5万円)で購入し、10月25日に3万分の図書券を使用した場合の仕訳例は、以下のようになります。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
9月1日 | 新聞図書費 4万8千円 | 現金 4万8千円 | 図書券の購入 |
10月25日 | 仕訳不要 | ||
12月31日 | 貯蔵品 1万8千円 | 新聞図書費 1万8千円 | 当期において未使用分の図書券を貯蔵品に振替え |
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
9月1日 | 貯蔵品 4万8千円 | 現金 4万8千円 | 図書券の購入 |
10月25日 | 新聞図書費 3万円 | 貯蔵品 3万円 | 図書券での書籍購入 |
12月31日 | 仕訳不要 |
最終的な結果はどちらも同じとなります。
購入した図書券を使わずに、取引先にプレゼントしました。
この場合、仕訳はどうなるのでしょうか?
接待交際費、もしくは販売促進費に振り替えます。
借方 | 貸方 |
---|---|
接待交際費(もしくは販売促進費) 4万8千円 | 新聞図書費(購入時に貯蔵品で処理していれば貯蔵品) 4万8千円 |
まとめ、及びよくある質問
今回の記事では、
- 新聞図書費の勘定科目で処理するもの
- 新聞図書費の仕訳例
について解説しました。
また「よくある質問とその回答」は以下のようになります。
- よくある質問とその回答
- 複数の書籍をセットで購入した場合の仕訳方法について教えて下さい
- 百科事典のように複数の書籍をセットで使う場合には、合計金額で仕訳を計上します。
そして、その合計金額が10万円以上の場合には、新聞図書費ではなく工具器具備品となります。 - 額面より安い金額で図書券を購入したのですが、仕訳の金額はいくらで計上すればよいのでしょうか?
- 額面ではなく、実際に購入した金額で計上します。
最後まで閲覧して頂きありがとうございます。
- この記事を書いた人
- 都心綜合会計事務所
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